オンデーズ
- 日用品・雑貨品
- BtoC
- 出荷仕分け
- t-Sort
- 生産性
- 誤仕分け
- スペース・レイアウト
アイウェアのOWNDAYS(オンデーズ)が、従業員へ配慮と生産性1.5倍を「t-Sort」最小モデルで両立した方法
■導入シチュエーション
○ 国内約260店の自社店舗への配送をコントロールする物流センター
○ t-Sortの最小モデルの小型ロボット「t-Sort mini2」を採用
■ 導入前の課題
○オーダーピッキング方式で出荷量が増えた際に、キャパオーバーを引き起こしていた
○店舗への商品配送において、延着・誤配が発生していた
○出荷時の長時間の荷待ちが発生していた
■ 導入理由
○障がい者を含む、「どんな人でも生産性と作業品質が変わらない現場」を、「t-Sort」ならば実現できると評価
■導入後の効果
○出荷能力が1.5~2倍に拡大
○誤配・延着の解消
○作業時間が読めるようになり、出荷の荷待ち時間を大幅に削減
○作業員の負担軽減(作業中の歩行数は、3分の1以下に減少)
○t-Sort mini2によって仕分けスペースの省スペース化を実現
―「t-Sort」導入前の背景と課題―
誤配・延着を防ぎ、「物流の2024年問題」にも負けない物流センターを目指す
※以下、ご回答はすべて細矢さまに行っていただいています。
Q.「t-Sort」導入前の旧商品センターで抱えていた課題を教えてください。
A.GLP ALFALINK流山4に移転する前は、足立区内に商品センターを構えていました。
当時は、すべての出荷をオーダーピッキングで行っており、1人の作業員がピッキングから出荷まで担当していました。
「これでは店舗数や出荷数が増えたら対応が難しくなる」という課題は認識していたのですが、実際、出荷数が増えたときには、たびたび店舗への商品到着が遅れる延着を発生させてしまうことがありました。
また、商品の発注が増えると、出荷能力がキャパオーバーを起こし、結果として延着や誤配を発生させてしまうことがあることも課題でした。
Q. オンデーズにおけるAI活用などの先進的な取り組みも背景にあったと聞いています。
A.当社では、遠隔視力測定やAI社員(接客・問診・営業管理職)を導入するなど、他社に先んじた自動化の取り組みを行っています。ただし、物流に関しては、このような先進的な取り組みは未着手でした。
Q. 「物流の2024年問題」を契機に、トラックドライバーだけではなく、倉庫作業員を含む物流事業全体の人出不足に課題を抱く企業も増えましたが、御社でも影響はありますか。
A.当社でも同様の危機感を感じています。そのため、サプライチェーンを維持継続するためには、物流ロボットを活用することが必要だと考えました。
―「t-Sort」を選んだ理由と導入経緯―
初期投資を抑え、「誰が作業しても生産性が変わらない」人に優しい商品センター実現のために
Q.「t-Sort」を選んだ理由には、障がいを抱えている方への配慮もあったと聞いています。
A.はい、そのとおりです。
障がいの性質によっては、当時検討していたAMRだと「なかなかロボットが来ない」といったケースが発生した際に不安にさせてしまう懸念がありました。
対して「t-Sort」では動きが安定しているため、障がいを抱えている方々でも安心して働いてくれるはずと考えました。
Q.その他の「t-Sort」を選んだ理由について教えてください。
A.次の3点が理由です。
- 他社と比較して導入コストを大幅に抑えられたこと
他社AMRを検討しましたが、AMRの場合、センター内全体に隙間なくWi-Fiを整備する必要がありました。その初期投資コストを考慮すると、「t-Sort」では大幅にコストを抑えることができると判断しました。 - 操作が簡単であること
「t-Sort」は作業が単純でエラーが少なく、誰が作業しても同じパフォーマンスを発揮できると判断しました。こちらは実際に「t-Sortの販売代理店であるタニックスさんに紹介を得て、デモスペースでt-Sortを操作したことにより非常に簡単であると事前に実感しました。
検討したAMRでは、経験の浅い方には取り扱いが難しく、ベテラン作業員を必要とするのではないかという懸念が拭いきれませんでした。 - 生産性の向上を図りつつ、今いる従業員の雇用を守ること
「t-Sort」であれば、生産性向上や、省人化も実現しつつ、現在雇用している従業員も守ることができると考えました。
―「t-Sort」導入の効果―
出荷能力は1.5~2倍以上、作業員の歩数は3分の1に減少
Q. 「t-Sort」の導入効果を教えてください。
A.「t-Sort」導入後、誤配・延着はなくなりました。
出荷能力についても、導入後は1.5~2倍以上に拡大しています。
作業員の方々にかかる、身体の負担も大幅に軽減しています。
私自身がピッキングを行ったときの比較ですが、以前の物流センターでは従業員一人当たり一日約20,000歩も歩いていました。しかし「t-Sort」導入後は、5,000~6,000歩と、約3分の1に減少しています。
物流センターを移転し、床面積は約1.7倍に広くなったのに歩数が大幅に少なくなっていることが、「t-Sort」導入効果の大きさを示しています。
Q. t-Sortシリーズの中でもt-Sort mini 2を選んだ理由を教えてください。
A.メガネのフレームという商品のサイズ感を考え、「t-Sort mini 2」を採択しました。
現在、t-Sort mini 2 の盤面サイズは約30坪ですから、10m四方に収まっています。
この効果もあり、現在の物流センター内は、より作業員の方々に優しい作業環境を実現できています。
―+Automationへの評価と今後の期待―
不安を素早く解決してくれる、+Automation のサポート体制
Q.+Automation の「t-Sort」導入・運用時におけるサポートはいかがでしょうか。
A.結論から言うと、+Automation にはとても満足しています。
導入時に原因不明の電波障害があったときも、十分にサポートしてくれましたし、現在もカスタマーサポートが素早く、かつ適切に対応してくれています。
運用はしているものの、私どもはロボットのプロフェッショナルではありません。
当然、不安になることもあるのですが、現場担当者が直接カスタマーサポートに電話し、サポートを受けられるのは、とても助かっています。
Q.+Automation に対する今後の期待を教えてください。
A.さまざまな事情を抱えた方が働くことができる商品センター実現のため、+Automation にもご協力いただきたいです。
例えば、「『t-Sort』に加え、ハンディターミナルを使った手仕分けを併用できないか?」という構想をしています。
- 出荷量によっては、手仕分けの方が早いケースもあること。
- 出荷量が見込みに反して少なかったとき、あるいは「t-Sort」による仕分け作業が終わるまで待っているときの、作業員の手持ち無沙汰感を解消したい。
せっかく当社で働いてくれているわけですから、手持ち無沙汰な時間は発生させたくはありません。「仕事がないから帰っていいよ」というやり方をしていたら、例えば派遣の方々も、次は来てくれなくなる可能性もあります。
縁があって当社で働いてくれた方々──もちろん、障がいを持つ方も、そうでない方も区別なく──「しっかりと働いた」という充足感を感じてもらうためには、このような構想も必要だと考えています。ぜひ+Automation にも、アイデアを出すなど、ご協力していただきたいです。
当社会長も、AIなどの先進的な取り組みについては、「人は、人にしかできないことを行うべきだ」と申し上げています。
商品センターでも、人とAI・ロボットなどの住み分けを模索していきますので、ぜひ +Automation の協力も期待しています。
取材にご協力いただいたオンデーズ 商品センターの細矢さまおよび作業員の皆さま、ありがとうございました。
オンデーズ商品センター、「t-Sort」を用いた業務プロセス
まとめ
オンデーズ商品センターでは自社でセンター業務を運営している。今回の物流課題の改善も「t-Sort」の販売代理店タニックス社に相談しながら、自社に合う物流ロボットの選定および導入を行った。その後「t-Sort」の導入によって、誤配・延着の解消や処理能力を1.5~2倍に高めるなどの成果を達成しており、自社物流で自動化によって課題解決できた成功事例となっている。
スペック
- 物流センターの特徴:アイウェア量販店における物流センター
- 取り扱い商材:メガネのフレーム
- t-Sort活用:物流センターの出荷行程における仕分け作業
- 導入機器:t-Sort mini2
- 「t-Sort」導入台数:17台
- 投入口数:2口
- シュート設置数:80間口
- 盤面スペース:約30坪
※障がい者とともに働く職場づくりには、「合理的配慮の提供」が不可欠となります。「t-Sort」を導入すれば、一律に「障がい者に優しい職場環境」が実現できるわけではありませんので、ご注意ください。
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