センコー 印西支店
- アパレル
- BtoB
- 出荷仕分け
- 返品仕分け
- t-Sort
- 生産性
- 仕分けの自動化
- 誤仕分け
- スペース・レイアウト
- 省人化
「一日に240時間の工数削減を実現」パンク寸前の現場を劇的に改善したストーリー
3ヶ月後に迫る繁忙期前に「t-Sort」をスピード導入!二段走路で一日約30人相当(240時間)の省人化
ある荷主の物流センター運営業務を、準備期間が短い中で引き継いだセンコー印西第二ロジスティクスセンター。だが前事業者と同様の1オーダー単位での作業を踏襲したままでは、3ヶ月後に迫る繁忙期に出荷業務がパンクすることが明らかになった。その改善策として選択したのが「t-Sort」である。スピード導入を果たした「t-Sort」は、二段走路へと進化し、現在では一日約30人相当(240時間)の省人化を実現している。
センコー印西第二ロジスティクスセンター(以下、印西第二LC、千葉県印西市)は、アパレルを取り扱うDC型物流センター(Distribution Center、在庫型物流センター)である。
諸般の事情により、準備期間が短い中で他事業者から物流センター業務を引き継いだ印西第二LCだが、4ヶ月後に迫る繁忙期を前に、業務オペレーションを大幅に見直し、大幅な生産性向上を図る必要に迫られた。
センコー印西第二LCが抱え込んだ課題とは
センコー印西第二LCは、2021年11月から稼働を開始した。
印西支店 印西第2ロジスティクスセンター長 峰哲史氏は、「センター稼働までのスケジュールがタイトで、しかも事前情報も乏しい状況であり、まずは前事業者の運用方法を踏襲するしかありませんでした。
前事業者が行っていたのはオーダーピッキング方式でしたが、このやり方では、4ヶ月後に迫った3月の繁忙期には、業務がパンクすることがすぐに分かりました」と振り返る。
「トータルピッキング方式に変更した上で、仕分け作業の大幅な生産性向上を実現する」──このミッションをクリアすべく、印西第二LCでは、2021年12月半ばからマテハン導入の検討を開始し、2022年2月下旬には「t-Sort」を稼働させた。
結果、業務生産性は劇的に向上し、2022年3月の繁忙期を無事乗り越えることができた。
だが印西第二LCは、ここで満足することなく、さらなる生産性向上を図る。翌月(2022年4月)には、鋼製架台を導入、走路を二段化したのだ。
「t-Sort」選定の理由
ロジスティクス営業本部 ファッション物流営業部 係長 石川雄三氏は、「3月の繁忙期までに生産性の向上を図るためには、マテハンを導入するしかありませんでした。ただし、マテハン選定においては、3つの条件を満たす必要がありました」と語る。
1.マテハン設備の償却期間が短いこと。
2.短い準備期間で導入可能なこと。(マテハン導入を検討開始した時点で、繁忙期まで3ヶ月しかなかったため)
3.既存の仕分けスペース内で収まること。(稼働中の物流センター内に導入するため、マテハン導入のために庫内レイアウトを変更・増床することを避けなければならなかった)
「この3つの条件を満たすことができるマテハンは、『t-Sort』しかありませんでした」と石川氏は「t-Sort」を選定した理由について説明する。
「t-Sort」導入の効果
「t-Sort」導入の効果として、まず挙げるべきは、破綻が見えていた現場オペレーションを劇的に改善し、無事に繁忙期を乗り越えることができたことだ。
しかも、検討開始からわずか3ヶ月で本稼働を開始できたというスピード感である。
「仕事柄、私はさまざまなマテハンに触れてきましたが、『t-Sort』導入のスピード感は驚きでしかありませんでした」と石川氏も評価する。
次に挙げるべき効果は、劇的な省人化の実現である。
前事業者方式の運用、すなわちオーダーピッキング方式では、一日の出荷作業の半分以上が、集品作業に追われていた。この運用方式では、自ずと人海戦術に頼らざるを得ない。当時はアルバイト・パート以外に人材派遣に頼り、ヘッドカウントを確保していたという。
「t-Sort」を導入し、トータルピッキング方式に切り替えたことに加え、出荷作業の効率化なども図った結果、印西第二LCでは、一日30名相当、計240時間の工数削減を実現した。この劇的な省人化効果により、「t-Sort」導入以降は、人材派遣に頼ることなく、レギュラーのアルバイト、パートと社員だけで運用することができるようになった。
「t-Sort」導入には、このような定量的な効果だけではなく、定性的な効果もあった。
「導入を推進した側から見ると、『t-Sort』導入後は『苦しい作業が大幅に減った』と感じています」と石川氏は語る。
印西第二LCでは、商品に、配送先量販店の仕様に合わせた専用値札を商品に取り付け、発送していた。
「t-Sort」導入前は、商品を集品し、箱詰めした後で、該当する出荷箱を探しては手配りで専用値札と付け合せ、取り付けをしていた。
この方法では、1回の出荷に対し、2度も仕分けを行うことになる。
「『t-Sort』では、商品と同じオペレーション内で専用値札や伝票も仕分け可能です。これはありがたいですね」(峰氏)
一般的なマテハンでは、商品の仕分けはできても、伝票や値札のような紙状のものは仕分けが難しい。だが、「t-Sort」では商品だけではなく、伝票や値札も仕分けることができる。そのため細心の注意を必要とする「苦しい作業」である専用値札の仕分け作業から作業員を解放した上で、仕分け品質の向上も実現できたのだ。
「t-Sort」が備える汎用性の高さも、峰氏が評価するポイントである。
「『t-Sort』導入当初は、『全商品の6割を仕分けられたらいい』と考えていました。しかし、今は全商品の9割を、『t-Sort』で仕分けできています。
もともと、当社WMS内にあった商品容積のデータフィールドを活かせたこと、定形品と不定形品を切り分けて処理できるようにした結果です」(峰氏)
この効果の立役者となったのが、+Automationが自社開発した庫内実行システム「+Hub」である。シンプルな「+Hub」の設計思想ゆえ、センコーで利用しているWMSの接続が容易だったことから、仕分け可能商品を9割まで引き上げることができたのだ。ちなみに、残りの1割は、「t-Sort」に載せられないサイズの商品だそうだ。
印西第二LCでは、走路を二段化することによって、庫内スペースの有効活用も実現した。
ちなみに、上段走路と下段走路の使い方は、基本的に同じである。ただし、商品の検品と投入を担うインダクション担当者が、下段走路に商品投入を行う際、腰をかがめる必要があり、また下段走路は視野が暗いため、やや作業性が落ちる。そのため、取扱量が多い商品は、基本上段走路を使うようにしているそうだ。
「悪い点が正直思いつかない」、印西第二LCの「t-Sort」に対する評価
「t-Sort」について、石川氏は、「悪い点が正直思いつかない」と評価する。その理由は以下のとおりである。
- RaaS(Robotics as a Service)によるサブスク形式でのサービス提供のため、手軽かつ素早く導入できること。
- ソーターや自動ラックなどのマテハンと違い、「t-Sort」は、仮にロボットが故障しても、故障した個体だけを取り除いたり、交換するだけで作業継続ができること。(マテハンの中には、故障すると業務そのものがストップさせざるを得ないものもある)
加えて石川氏は、「『t-Sort』導入が、競合他社との差別化につながることもメリットだ」と語る。
印西第二LCが「t-Sort」を導入したことがプレスリリースやメディアで取り上げられて以降、問い合わせや見学の希望が増えたという。中にはセンコーと取引のない企業からの問い合わせ・見学希望もある。新たな顧客との接点が「t-Sort」導入によって生まれるようになったのだ。
「かつてマテハンを導入したものの、その後の運用や活用で苦労した経験のある事業者は、ぜひRaaSを検討されることをオススメします。『どうも期待したような効果が得られないなぁ』と思ったら、一年で止めることができるというメリットは大きいですよ」と石川氏は、RaaSで提供される「t-Sort」を評価する。
「困れば人海戦術に頼ればいい」というのは、物流業界の悪しき習慣であり思考だ。人手不足が深刻化する今、ヘッドカウントの確保はますます難しくなっている。そもそも人海戦術はコストも上がるし、慣れない新人作業員の多用は、庫内作業の品質低下にも直結しかねない。
このような課題解決のためにあるのが、さまざまなマテハンだ。
だが、重厚長大なマテハンの導入は、本事例のように、顧客や現場が求めるビジネススピードについていけないことがある。
だからこそ、「時間がない」あるいは「即効性のある庫内作業の改善策が欲しい」という際には、間違いなく「t-Sort」は選択肢のひとつとなるはずである。
スペック
荷主:アパレルメーカー
取り扱い商材:スポーツウェア、スポーツ用品
t-Sort活用:DC型物流センターにおける、多品種小ロット仕分け作業
特徴:2段走路を利用したt-Sort sd5
導入台数:40台
シュート設置数:106間口×2段
走路の専有面積:約80坪
-
サービス導入事例集を無料公開中
DL資料内にはHP非掲載の導入事例もあります
- この資料でわかること
- 導入前の課題と導入後の効果
- パートナー様×7拠点の導入実績