CMO インタビュー 古くて新しい「物流」という世界で新しく古い「マーケットイン」を実現していくこと

2020/05/14

自己紹介をお願いします。

大西 弘基です。プラスオートメーションを共同で立ち上げた日本GLPの社員として設立当初から関わっています。

元々は建築の設計をしていました。小学校やオフィスビル、集合住宅、研究所、と設計に没頭していましたが、色々なタイミングが重なり物流不動産デベロッパーの日本GLPに転職したのが9年ほど前の事です。

転職した当初は、発注者側の設計担当者として施設開発に携わっていました。物流施設は、オフィスビルや住宅等と違って、歴史も浅いので、工夫し甲斐が物凄くあるんですよね。

当時も年数棟、多い年は10棟弱のペースで開発していましたが、プロジェクト毎に最低3つは新しい取り組みを盛り込んでいました。それもデザインとか表層的な工夫というより物流のオペレーションをサポートするような工夫ですね。企業秘密が多くて具体的には言い辛いんですが。笑

そうこうしているうちに、物流施設というより、もっと物流そのものに関わりたいという思いから、物流を取り巻く事業の開発へ、と仕事のフィールドを移しました。いわゆる新規事業の担当部署ですね。そこで、様々な新規事業の検討を進める中で、三井物産さんとのコラボレーションがスタートし、プラスオートメーションを設立し、今に至る・・・という流れです。

プラスオートメーション(株)では何をされていますか?

会社設立当初からセールス&マーケティングを任されています。全く新しい物流ロボットサービスを営業する、というのがミッションになります。

実は、これまでお客様と一緒に何かをつくりあげる、という仕事は多く経験してきましたが、いわゆる「営業職」の経験はほとんどありませんでした。集まっているメンバーも私同様、純粋な営業経験のある方は少ないです。

ただ、プラスオートメーションはオペレーションファースト、というコンセプトを掲げているように、顧客が求めるものだけを提供していく、という姿勢で事業を進めているので、「営業力」は必要ではありません。顧客が求めるものを理解し、最適なソリューションを提案するためには「物流オペレーションへの知見」が重要で、後は、誠実に対応していくのみ、という感じです。

やりがいを教えてください。

物流業界というのは、旧態依然としていて、自動化や機械化が進まず、生産性が低い、と多くの人が言っています。私も現状については異論ありませんが、日本はこれから人口減少の時代を迎える中、人の生産能力は年々低下していくので、どこかで皆が自動化に舵を切る事になるはずです。

また、ECが拡大し、物流が社会に与えるインパクトも増す中で、IT化も求められています。「物流DX」といった言葉をよく目にするようになりましたし、スタートアップも多く参入してきています。そんな古くて新しい物流業界にあって、まさに最前線に立ち、新しいサービスで物流を変えていく、その一翼を担う事、それが一番のやりがいです。

もう一つ、これはプラスオートメーションをスタートし、物流のプロを集めてサービスを展開していく中で気づいたんですが、物流業界の自動化って、完全自動化ではなくて、人がやっている一連の物流作業の一部分を切り取り、そこを自動化し前後の工程を調整する、つまり「オペレーション改革」なんですね。一方で、今の機械やロボットは、プロダクトを作ってるメーカーやサプライヤーの方々が売ってますから、自然と「このプロダクトを使うとこうなります」という売り込み・発想になってきます。ここに大きなギャップがあります。

ユーザーが必要としているのは最先端のAIや機械といった自動化そのものではなく、自動化を使ったオペレーションの改善・改革なんだと思います。

そして、ここの知見を誰が一番持っているのか・・・これって実は昔からの物流業界でセンター長の皆さんが地道に改善してきた一つ一つのオペレーションノウハウ、これをロボットに置き換えていく事、これが最先端なんです。新しいようで古いんですね。

ここが面白い、と思っています。ロボットの導入を提案すればするほど、人の凄さ、人の賢さに気づく、という。

「マーケットイン」というと言い過ぎですが、マーケットから必要とされるものを提供する、という姿勢を徹底する事は求められる時代だと思います。

プラスオートメーションのメンバーは皆、最先端のロボットをどう現場に導入するか、を物流のプロの目線から日々考えています。それはすごく刺激的な環境ですし、すごく「新しい」事業だな、と感じます。

以上

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